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ルミノメーターが分かる!原理、使用目的、選び方のポイント
ルミノメーターとは?

ルミノメーターは、励起光を必要とせず、サンプル自体が発する光(発光)を測定する装置です。主に生化学実験や検査分野で、「発光法」と呼ばれる試薬やキットの検出に使用されます。
発光法には主に2種類があり、いずれも酵素反応を利用して光を発するのが特徴です。
◆ ケミルミネッセンス(例:発光ELISA、ルミノール反応)
◆ バイオルミネッセンス(例:ルシフェラーゼアッセイ)
これらは、タンパク質や細胞活性の高感度検出に広く利用されています。
- 検出器(ディテクター)
ルミノメーターには以下のような光検出器が搭載されています:
- 光電子増倍管(PMT:Photomultiplier Tube): 非常に高感度で、わずかな発光も検出可能です。多くの高感度モデルに採用されており、ほとんどの発光試薬の検出に対応します。
- フォトダイオード(例:CCDカメラ): 感度はPMTに劣るものの、コストパフォーマンスに優れた検出方式で、比較的安価なモデルに搭載されています。感度が必要な実験系では、検出力が不足する場合があります。
- 検出結果(出力単位)
測定結果は、主に以下の単位で表示されます:
- RLU(Relative Luminescence Unit:相対発光量): 装置が検出した光の強さを表す相対値です。装置や設定によって数値が変わるため、同じ機器・条件での比較に適しています。
- CPM(Counts Per Minute:光子カウント数): 発光した光子(フォトン)を1つずつ数える「フォトンカウント方式」で得られる数値です。RLUよりも再現性や装置間の比較性に優れていますが、完全な「絶対値」ではなく、機器の性能に多少依存します。
- 測定形式(フォーマット)
ルミノメーターには、以下の2つのタイプがあります:
- シングルチューブタイプ: サンプルチューブを1本ずつ測定するタイプで、かつては一般的でしたが、現在は市販されているモデルは非常に限られています。
- マイクロプレートタイプ(プレートリーダー): 96ウェルプレートなどを一度に測定できるハイスループット対応型で、現在の主流です。多検体の同時測定が可能で、作業効率に優れています。
ルミノメーターを使う代表的な実験法、アプリケーション
- ルシフェラーゼアッセイ: 遺伝子発現の評価に広く使われる代表的な発光アッセイです。プロモーター活性やシグナル伝達の解析など、様々な遺伝子機能解析に利用されます。
- 発光ELISA: ケミルミネッセンスを用いた高感度なELISA法です。従来の比色ELISAに比べて感度が高く、微量のタンパク質や抗体の検出に適しています。研究用途に加え診断・検査分野でも活用されています。
- ATPアッセイ: ルシフェラーゼ反応を利用してATPを検出するアッセイです。細胞の生存性や代謝活性の測定、微生物由来ATPの検出、キナーゼ活性測定など幅広いアプリケーションに応用されています。
- ルシフェラーゼ融合タンパク質の定量: 目的タンパク質にルシフェラーゼを融合させ、発光強度によって発現量を定量するアッセイです。従来のウェスタンブロットと比較して、高感度かつ迅速に評価でき、細胞内での動態や分泌量の解析にも活用されています。
ルミノメーターの選び方
ルミノメーターを選ぶ際は、アプリケーションに応じて以下のポイントを確認することが重要です。(マルチモードプレートリーダーの発光測定機能を含む)
- 検出感度(検出下限): 最小検出レベルは、ATPをルシフェリン・ルシフェラーゼ反応で検出した場合の最低ATP量または濃度で示されるのが一般的です。ただし、実際の感度は使用する検出試薬にも大きく影響されるため、あくまで目安の数値となります。
- ダイナミックレンジ: 発光シグナルを正確に測定できる強度の範囲を指し、多くの装置は6ログ(10⁶倍)程度のダイナミックレンジを備えています。複数の発光アッセイ系を並行して使っている場合、一部のシグナルが検出下限を下回ったり、上限を超えて飽和することがあります。そのような場合には、自動で感度を調整するオートゲイン機能付きのモデルや、7ログ(107倍)以上の広いダイナミックレンジを持つモデルが有用です。
- クロストーク(隣接ウェル干渉): 強く発光するウェルから隣のウェルに光が漏れる現象です。これにより、実際よりも高い発光値が記録され、「バックグラウンドの上昇」「シグナル/バックグラウンド比(S/B比)の低下」などの問題が発生します。クロストークを低減する光学設計を採用したモデルも存在するため、感度が重要なアッセイでは確認が必要です。
- フィルター機能の有無: BRETや2波長発光測定など、特定波長の光を分離・検出する必要があるアプリケーションには、発光フィルターによる波長選択機能が必要です。この機能は多くの場合、上位モデルに搭載されています。
- インジェクターの有無: フラッシュタイプの発光試薬(発光半減期が短いもの)を使用する場合には、自動インジェクターが必須です。この機能により、各ウェルに試薬を分注した直後にすばやく測定が行え、シグナルの変動を最小限に抑えることができます。目安として、発光半減期が30分未満の試薬を使用する場合、インジェクター機能が搭載されたモデルが推奨されます。
(文責 プロメガ株式会社 営業推進部)
参考資料:ルミノメーターってなになになーに?
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