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マグネチックスターラーとは?原理や使用できる容器・選び方を解説

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マグネチックスターラーは、実験や研究の現場で液体を均一に攪拌するために欠かせない装置です。磁力を利用して攪拌子を回転させる構造により、液体に直接触れる可動部がなく、清潔かつ再現性の高い攪拌を実現できます。一方で、原理や対応容器、性能の違いを十分に理解しないまま使用すると、攪拌不良や装置トラブルにつながるおそれもあります。

当記事では、マグネチックスターラーの基本構造や原理、使用可能な容器の条件、選定時のポイント、使用時の注意点などを詳しく解説します。

目次

1. マグネチックスターラーとは
1-1. スターラーとは

2. マグネチックスターラーの原理

3. マグネチックスターラーを使用できる容器
3-1. 磁性体でない容器
3-2. 底がフラットな容器

4. マグネチックスターラーの選び方
4-1. 回転数
4-2. 攪拌容量の目安
4-3. サイズ
4-4. 磁力の強さ

5. マグネチックスターラーを使用する際の注意点

まとめ

1. マグネチックスターラーとは

マグネチックスターラーとは、磁力を利用して液体を自動的に攪拌する実験用装置です。主に研究開発、品質管理、教育機関の実験室などで用いられ、ビーカーやフラスコ内の液体を均一に混合する目的で使用されます。装置本体の上に容器を置き、内部に攪拌子と呼ばれる磁性体の棒を入れることで、外部から磁力を与えて回転させます。

マグネチックスターラーは、液体に直接触れる可動部がないため、汚染リスクが低く、洗浄やメンテナンスが容易です。また、再現性の高い攪拌条件を設定できる点も特徴です。試薬の溶解、反応液の均一化、温度制御を伴う攪拌など、幅広い用途で活用されています。

アズサイエンスで取り扱い中のマグネチックスターラー一覧

1-1. スターラーとは

スターラーとは、液体を攪拌し、成分を均一に混合するための装置や器具の総称です。スターラーには大きく分けて、モーター型攪拌機、マグネチックスターラーの2種類があります。

モーター型攪拌機は、上部から攪拌羽根を回転させる方式で、高粘度液体や大容量の攪拌に適しています。一方、マグネチックスターラーは、磁場を利用して攪拌子を回転させる方式で、密閉容器内でも使用できます。スターラーは、用途や液体の性質に応じて、適切なものを選びましょう。

2. マグネチックスターラーの原理

マグネチックスターラーは、容器内に入れた攪拌子を外部から発生させた磁場によって回転させ、液体を攪拌します。スターラー本体の内部には、永久磁石をモーターで回転させる方式、またはコイルに通電して電磁誘導で磁場を発生させる方式が採用されています。

本体内部で回転する磁石の動きに、ビーカー内の攪拌子が追従することで、液体に渦流が生じ、均一な攪拌が行われます。回転数はrpm(revolutions per minute)で制御され、一般的に100~1500rpm程度で調整可能です。磁力の強さや回転子の形状により攪拌容量が決まり、高粘度液体ではより強い磁力と適切な回転子が必要となります。

3. マグネチックスターラーを使用できる容器

マグネチックスターラーは磁石の力を利用して攪拌子を回転させる装置であるため、使用できる容器には一定の条件があります。容器の材質や形状が適していない場合、攪拌子が正常に回転せず、十分な攪拌効果が得られません。

ここでは、マグネチックスターラーに適した容器の条件について解説します。

3-1. 磁性体でない容器

マグネチックスターラーでは、磁性体ではない容器を使用する必要があります。鉄やニッケルなどの強磁性体を含む容器を使用すると、攪拌子がスターラー本体の磁場ではなく容器自体に引き寄せられ、正常に回転しなくなります。この状態では攪拌が行えず、装置の性能を十分に発揮できません。

一般的に、ガラス製のビーカーやフラスコは磁性を持たず、内容物の状態も目視確認できるため、研究や教育現場で広く用いられています。また、ステンレス容器も多くの場合は使用可能で、耐久性が高く扱いやすいとされています。

3-2. 底がフラットな容器

マグネチックスターラーを使用する際は、容器底面がフラットな形状であることが大切です。底面に凹凸がある容器や、中央が盛り上がった形状、半球状にくぼんだ形状の場合、攪拌子が中央で安定して回転できなくなります。その結果、攪拌子が不規則に動き回る「脱調」と呼ばれる状態が発生し、攪拌効率が大きく低下します。

底が平らな容器であれば、攪拌子が磁場に追従して安定回転し、均一な攪拌が可能です。材質に加えて底面形状も確認することで、マグネチックスターラーの性能を最大限に引き出せます。

4. マグネチックスターラーの選び方

マグネチックスターラーは、用途や使用環境によって求められる性能が大きく異なります。選定時は、仕様表に記載された数値を確認し、「何を、どのくらい、どの条件で攪拌したいのか」を明確にしましょう。

ここでは、マグネチックスターラーの選定時に特に重視したいポイントを解説します。

4-1. 回転数

回転数は、マグネチックスターラーの攪拌性能を判断する基本的な指標です。一般的にrpm(revolutions per minute)で表され、多くの製品では100~1500rpm程度の範囲で調整できます。

価格を抑えた製品では、簡易的なモーターが使われることもあり、回転力や耐久性が限定的な場合があります。一方、高性能モデルでは回転数表示機能や制御精度が高く、再現性のある攪拌が可能です。用途に応じて必要な回転数範囲と制御性を確認しましょう。

4-2. 攪拌容量の目安

攪拌容量の目安は、スターラーが安定して攪拌できる液量を示す指標です。多くの場合、この数値は水を基準とした条件で示されており、実際の液体が高粘度である場合は、表示容量よりも小さな量が適正となります。

少量試験から数リットル規模の攪拌まで、現場では幅広い用途が想定されます。攪拌容量の記載を確認し、実験条件に適合するかを事前に検討しましょう。

4-3. サイズ

マグネチックスターラーのサイズは、使用する容器との適合性や設置環境に直結します。容器が天板に安定して載らなければ、十分な磁力が伝わらず、攪拌性能が低下します。一般的にはビーカーサイズを想定した製品が多いものの、試験管やバイアル瓶向けの小型タイプや、大型容器対応のモデルも存在します。

また、省スペース設計の薄型タイプや、複数容器を同時に攪拌できる多連式など、用途に応じたさまざまな形状があるので、設置面積や作業動線を考慮して選びましょう。

4-4. 磁力の強さ

磁力の強さは、攪拌子が回転に追従できるかどうかを左右する要素です。一般的な製品ではフェライト磁石が使用されますが、高粘度液体や大容量攪拌では、ネオジム磁石やサマリウムコバルト磁石を用いた高磁力タイプが適しています。

磁力が不足すると、回転子が安定せず脱調が起こり、攪拌効率が低下します。一方で磁力が強すぎる場合はモーターへの負荷が増し、装置価格も高くなります。使用条件とコストのバランスを考え、必要十分な磁力を備えた製品を選びましょう。

5. マグネチックスターラーを使用する際の注意点

マグネチックスターラーを安全かつ安定して使用するためには、基本的な操作上の注意点を理解することが大切です。

まず、回転数は必ず低速から設定し、攪拌子の動きを確認しながら少しずつ上げていきます。回転数を一気に上げると、攪拌子が磁場に追従できず、脱調と呼ばれる不安定な挙動が起こりやすくなるので注意が必要です。

また、極端な高速回転での使用は避けましょう。高速回転は攪拌子のズレや飛び跳ねを招くだけでなく、フッ素樹脂被覆の摩耗や破損につながるおそれがあります。
容器に対して大きすぎる回転子を使用すると、回転軸が安定せず脱調の原因となります。攪拌条件に適したサイズと磁力の回転子を選び、底がフラットな容器と組み合わせて使用することが、安定した攪拌を行うためのポイントです。

まとめ

マグネチックスターラーは、磁場によって攪拌子を回転させることで、液体を効率的かつ安定して混合できる実験用装置です。液体に直接触れる機構を持たないため、汚染リスクが低く、洗浄やメンテナンスの負担を抑えられる点が大きな特徴です。

一方で、使用できる容器の材質や底形状、攪拌容量、回転数、磁力の強さなどを適切に選定しなければ、十分な性能を発揮できません。また、回転数の設定方法や攪拌子のサイズ選びを誤ると、脱調や部材の摩耗といった問題も生じます。

マグネチックスターラーの特性を正しく理解し、使用条件に合った機種と運用方法を選ぶことが、安定した実験結果と作業効率の向上につながります。

アズサイエンスではマグネチックスターラーも取り扱っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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