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USBA 検査について
大切な赤ちゃんを守るために、胆道閉鎖症の検査をおすすめします。
胆道閉鎖症への取り組みは、日本の医療が世界をリードしています。
お産を前にしたお母さんへ
ほとんどのお母さんが、お産を前にして、さまざまな不安や、疑問などをお持ちになると思います。
そのうちのひとつに生後の黄疸があります。
赤ちゃんの黄疸は通常、生後4、5日頃がピークで、1週をすぎると徐々に消失します。生後、黄疸が1週間続いたり“うんち”が白っぽいときには、胆道閉鎖症という病気を思い浮かべてください。
“うんち”の色に注意することは母子手帳にも書いてありますが、なかなか早期発見ができていません。
お産後のお母さんへ
この病気は生後60日以内に手術しなければ幼い命の危機と、多くの本に書かれていますが、もちろん、状況はその赤ちゃんによって異なり、生後90日で手術してもうまくいく場合もあります。一律には言えませんが、早ければそれだけ良い肝臓機能に戻れるわけです。
胆道閉鎖症とは?
肝臓で作られた胆汁が腸へ流れるための道を胆道または胆管と呼びます。
その胆道・胆管が生まれつきまたは生後まもなく、なんらかの原因でつまってしまって流れなくなったり、肝臓の中で胆汁がうっ滞して血液内に逆流し、黄疸を発症し、そして便は白っぽくなる病気です。
肝臓の機能は回復しなくなり、だんだん硬くなって肝硬変となり、やがて死に至ります。その原因は不明です。
現在の治療法としては「葛西方式」と呼ばれる手術が一般的に行われています。日本では、約9,600人出生に1人の頻度と報告されています。
早くに発見!そして早くに治療!が最もたいせつ。
“赤ちゃんのおしっこ”の検査で発見可能。それがUSBA検査です。
USBA検査について
胆道閉鎖症は、1万出生に1人の割合で発症する小児期の肝障害で、早期診断が難しい病気の一つです。生後1ヶ月以内に手術が施行されれば、肝移植を行うことなく、自己肝生存の可能性が高まるとされています。
近年、便色調カードが全国配布されるようになりましたが、便色スクリーニングで発見されているのは113例の胆道閉鎖症患者の中で54例でした(日本胆道閉鎖症研究会、2015年)。また患者のすべてにおいて便色異常を示すわけではなく、2012年以降報告されている累積データでは、生後1ヶ月以前では、23例中12例が4番の評価でした。(http://jbas.net/date/shuukei-2015.pdf)。したがって、4番を示すケースにおいては、非侵襲的で病院の負担にならない二次スクリーニングの方法を考えなければなりません。
硫酸抱合型胆汁酸(USBA)
胆汁うっ滞状態では、血清胆汁酸は肝細胞において胆汁とアミノ酸と結合して転換され、血清の中に逆流し、尿中に尿硫酸抱合型胆汁酸として排泄されます。
新生児期は一般に尿濃縮力が弱いので尿中クレアチニンと比較した方がいい場合があります。本スクリーニングのcut-offは、Cr.値が2.5mg/dl未満の場合はUSBA測定値5.0μmol/Lで判定し、2.5mg/dl以上の場合はUSBA/Cr.値55.0μmol/g Cr.で判定することを推奨します。
ROC曲線によるCUT-OFF値
USBA陽性率 | 3.8% |
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感度 | 100% |
特異度 | 96.2% |
偽陽性率 | 3.8% |
陽性的中率 | 25.9% |
カットオフ値を60μmol/g Cr.に増大させても、感度を100%維持することが可能ですので(数下図)、新生児スクリーニングにおいて、患者を見逃すことがなく、感度を100%に維持することは重要な要素と考えます。
Q&A
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尿のサンプリングはいつ?
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早いに越したことはないのですが、早すぎるのも疑陽性率が高くなります。日齢15日~21日の間に行ってください。また採尿後は、速やかに尿を協力医療機関に提出するようにしてください。
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便が混じってもいいですか?
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少しぐらいならかまいません。分析する時に遠沈します。影響はないことが分かっています。
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保険診療検査となっているのに費用がかかるのですか?
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臨床検査に関する費用は、厚生労働省が保険診療の検査として認めたものは保険点数によって規定されており、USBA測定の保険点数は57点・570円ですが、スクリーニングとして検査するので保険適応外となります。もし、カラーカードなどで疑いがもたれた場合の二次スクリーニングであれば、診断名が付きますので保険適応となります。
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陽性であれば必ず胆道閉鎖症でしょうか?
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胆道閉鎖症以外の疾患の場合もあります。新生児肝炎、サイトメガロウイルス感染症、シトリン欠損による新生児肝内うっ滞症(NICCD)、Alagille症候群などが含まれてきますが、いずれも見つかっていれば対策がとれる病態です。
文献
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Urinary sulfated bile acid analysis for the early detection of biliary atresia in infants.
Suzuki M1 , Muraji T, Obatake M, Nio M, Ito K, Suzuki K, Ota K, Maisawa S, Yamashiro Y, Shimizu T.
Pediatr Int. 2011 Aug;53(4):497-500. doi: 10.1111/j.1442-200X.2010.03268 -
Efficacy of urinary sulfated bile acids for diagnosis of bacterial cholangitis in biliary atresia.
Shinohara T1 , Muraji T, Tsugawa C, Nishijima E, Satoh S, Takamizawa S
Pediatr Surg Int. 2005 Sep;21 (9):701-4. Epub 2005 Oct 20. -
Urinary sulfated bile acid concentrations in infants with biliary atresia and breast-feeding jaundice.
Muraji T1, Harada T, Miki K, Moriuchi T, Obatake M, Tsugawa C
Pediatr Surg Int. 2005 Sep;21 (9):701-4. Epub 2005 Oct 20. -
Urinary sulfated bile acids: a new simple urine test for cholestasis in infants and children.
Obatake M1 , Muraji T, Satoh S, Nishijima E, Tsugawa C.
J Pediatr Surg. 2002 Dec;37(12):1707-8. -
Direct enzymatic assay of urinary sulfated bile acids to replace serum bilirubin testing for selective screening of neonatal cholestasis.
Matsui A1 , Kasano Y, Yamauchi Y, Momaya T, Shimada T, Ishikawa T, Abukawa D, Kimura A, Adachi K, Tazuke Y.
J Pediatr. 1996 Aug;129(2):306-8
尿中硫酸抱合型胆汁酸(USBA)を利用したスクリーニング法の実際
Schneller No.73:9-13,2010
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